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ジョゼと虎と魚たち



大学生の恒夫(妻夫木聡)は、深夜に麻雀屋でアルバイトをしている。

明け方、恒夫は、坂の上から乳母車が走ってくるのに遭遇する。恒夫が近寄り、中を覗くと、包丁を握り締めた少女(池脇千鶴)がいた。



乳母車の中身は、老婆の孫だった。彼女は原因不明の病で生まれてから一度も歩いたことがないという。

こうして、恒夫と脚の不自由な少女は出会った。

恒夫が少女に名前を尋ねると、彼女はジョゼと名乗った。

恒夫は、不思議な存在感を持つジョゼに興味を持つ。一方で恒夫は、大学の同級生の香苗(上野樹里)に好意を持っている。

福祉関係の就職を希望している香苗との会話のネタに、脚の悪いジョゼが家の中のあっちこちからダイブすることなども持ち出したりするが、思うように関係は進まない。

ジョゼのことも気になる恒夫は、事あるごとに家を訪ねる。



恒夫の計らいで国の補助金がおり、ジョゼの家の改築工事が始まった。


完成が迫ったある日、突然、香苗が見学に訪れる。

その日の夜、再び恒夫はジョゼを訪ねる。ジョゼは泣きながら本を投げつけ「帰れ!」と叫ぶ。

恒夫は祖母に、もう二度と来ないようにと釘をさされる。



数ヵ月後。工事で知り合った現場主任から、ジョゼの祖母が急逝したことを知らされる。

恒夫はバイクにまたがり、ジョゼの家へと急ぐ。

お葬式から最近の暮らしぶりまで、淡々と語るジョゼだったが、恒夫がジョゼの行動に口をはさんだ途端、わめきながら恒夫の背中を殴り始める。

その怒鳴り声はいつしか泣き声に変わり、やがてふたりはお互いの存在を確認しあうようにひとつになる。

ジョゼにとっては初めての経験だった。恒夫とジョゼは一緒に暮らし始める。



二人は動物園に行って虎を見る。ジョゼには夢があった。

いつか好きな男の人ができたときに、世の中で一番怖いもの、虎を見る、という。


二人で過ごすささやかな幸せは、いつしか終わりのときがやってくる。

ジョゼの長屋を出てゆく恒夫を、香苗が待っていた。再び1人になったジョゼは、今は電動車椅子で町を自由に駆けている。

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